論 語
擁也第六 二十一
【原文】
子曰、知者楽水、仁者楽山
知者動、仁者静、知者楽、仁者壽
【口語訳】
子曰く、知者は水を楽しみ、仁者は山を楽しむ。
知者は動き、仁者は静かなり。
知者は楽しみ、仁者は寿し(いのちながし)。
【現代語訳】
孔子のお言葉、「(自然界の風景を構成するものは、あらゆる草木・禽獣・虫魚を包容している山と川が二大要素であるが、これを以って人間世界の精神風土を構成する二大要素としての仁と地とにたとえて言えば)知者の(満足して)楽しんでいる境地が水のようなら、仁者の(満足して)楽しんでいる境地は(さしずめ)山だ。知者(の生活態度)は流動的だが、仁者は安静である。知者は(生活を)楽しむが、仁者は(楽しむのみならずそこに安住して天寿を全うするから)長寿というところだ。」
孔子の時代の中国では、山と川が二大要素ですが、これはこの時代の世界観で、現代では山と海(大河を含む)と考えるのが、妥当性が高い。山と川。陸と海が対義語で、中国の川は大河なので肯ける点もある。
※飛騨高山のクマさんから和紙を頂いて書かせて頂きました。