この一球!



バックスクリーン左横・34段目より18倍で撮影

8.島袋 1死一、三塁。1ストライク1ボールからの3球目、スクイズを仕掛けるも外角に外すボールに空振り。
三走・山川が飛び出していたが、キャッチャー・大城卓の三塁送球が悪送球になり、山川が2点目のホームに生還した。
その後、島袋は2ストライク1ボールからの4球目を打ってセカンドゴロ。その間に、伊礼は三塁へ。

この時点ではまだ1-0 試合の行方はわからない。 東海大は見事にスクイズを外した。
このままで行けば2死2塁 島袋がセカンドゴロを打てばスリーアウトで全く展開は変わった。
タラ、レバは結果論で野球には無意味な想定。 しかし、捕手の悪送球がすべてを変えた。
単なる悪送球では無かった。守備としての要の捕手としてこの一瞬に頭が空白、真っ白になった。
この回のサインがことごとく狂ってしまった。一二三投手も同様に歯車が狂った。
この4回の攻撃は球場を包む雰囲気からすると「一瞬のポケット」のようで
あれよあれよという間に過ぎてしまった。空白の回、魔の4回が無ければ・・・。
勢い、流れが怒涛のように興南に流れた。それは信じられない速さで通り過ぎていった。
打ったほうも打たれたほうも、おそらくは他の回と違って克明に覚えてはいないだろう。
興南にとってのラッキィーイニングは東海にとって魔の4回。
47000の観衆は真夏の白昼夢を一瞬に見たような感さえあった。
観衆の間を縫って「島風」が吹いていたのは確かだった。