侘びと寂び





◆大学時代、茶道部三昧の日々の中で、
侘びの境地について家元より、お教えいただいたのが、この和歌でした。
45年、この和歌が心の襞に付着しています。 憂愁の秋です。秋、満福。

見わたせば 花も紅葉(もみじ)も なかりけり
浦の苫屋(とまや)の 秋の夕暮
出典 : 新古今和歌集 作者 : 藤原定家
...意訳 :
   まわりを見渡しても、美しい花や鮮やかな紅葉があるわけ
   ではない。海辺の苫葺(とまぶ)きの粗末な小屋が建って
   いるだけの秋の夕暮れなのに、胸に染みてくるこの思いは
   何なのだろう。
解説 :
   定家のこの歌は、同じ『新古今和歌集』の中にある寂蓮と
   西行の「秋の夕暮」を詠んだ 二首とともに「三夕の歌
   (さんせきのうた)」 といわれている