「それでも夜は明ける」










「12 years a slave.」(原題)「それでも夜は明ける」
不条理・非合理・非情、どのような言葉を遣えばいいか、見つからない。
人間のこの非業さに、自分という人間性の中にも、それを内在しており、
紛れもない同じ人間であるということに辛さを覚える。
1841年、わずかに170年前の現実社会である。

19世紀・20世紀・21世紀、この時代の開き、格差の違いに驚嘆する。
これは黒人の監督だから描くことができたようにも思える。
「人権」の無い、人を理解することができない。
家畜、所有物、物として扱われた黒人奴隷、その悲惨さが
充分に映画化された作品である。
人間の悪の真実を見つめるために観ておくべき映画です。

 第86回アカデミー賞の作品賞、助演女優賞、脚色賞の3部門に輝いた「それでも夜は明ける」(現在公開中)のメガホンをとり、黒人監督が手掛けた作品として初の作品賞受賞という栄誉を受けたスティーブ・マックイーン監督が、同作を振り返った。

マックイーン監督は、何者かの手によって拉致されたアメリカ北部の自由黒人が、南部の農園で12年間もの奴隷生活を強要されたという驚くべき実話を映画化するにあたり、「ホロコーストについての映画を作る決断をするように、僕は、奴隷制度についてのストーリーをとても作りたかった。それだけだよ。それが僕の情熱だった」と着想のきっかけを語る。(写真)