憂笑の夢
(2004年 10月 26日 [火曜日])憂笑の夢
西武ライオンズが4勝3敗で日本シリーズを制して優勝した。ペナントレースではダイエーの後塵をはいして2位だったのに、プレーオフを勝ち、日本シリーズでも中日の優位を覆して勝った。記録を見ると、シリーズ最多安打・最多長打・最多塁打を上げているので勝つべくして勝っているようだが、7戦のプロセスでは2勝3敗になったところで軍配があったようにも思えた。傲慢の落合、謙虚の伊藤の勝負で勝利の女神は伊藤に微笑んだように思える。勝負は勝ったと思ったところで負けるというように、形成が逆転することが多い。中日が3勝したところで選手も、ファンも勝ったと思ったようだ。しかし、勝負は最後までわからない。それが勝負をしてみる面白さのようだ。人生に勝ち負けはあるのだろうか?もし、あるとするならば、自分自身で冷静に客観的に評価して、勝ち負けを決めたいと思う。そして、人に勝たなくてもいい、自分に負けない勝負でありたいと願う。人が認めてくださったとしても、自分で納得のいかない人生は嫌だ。よしんば、人様が評価して下さらなかったとしても、自分で納得のいく人生を送りたい。MVPを獲得して2勝を上げた石井投手は、ペナントレースでは1勝しかしていないというから、面白い。野球も人生も何が起こるかわからない。そこに妙味がある。6戦後、奇しくも「勝ちたいと思う気持ちが強い方が勝つ」というコメントを両チームの選手が語っていた。人間のすることは、その多くはやはり、『気』によって決まるのであろう。そう思う西武の優勝だった。松阪選手、おめでとう!伊藤監督、本当にご苦労様でした。勝者は笑者、敗者は拝者。憂いと笑いの立場は4対3で、僅かの差なのかも知れない。紙一重というよりも同じかも知れない。